クーリーフ(Coolief)

注射や薬を続けても、膝の痛みがなかなか楽にならない。
手術は体への負担が心配、あるいは事情があって踏み切れない。
そんな方のために、2023年に保険適用となった治療があります。

変形性膝関節症による膝の痛みは、日常生活のあちこちに影響を与えます。

  • 階段の上り下りがつらい
  • 長時間歩くと膝が重く痛む
  • 痛み止めや注射を繰り返しているが、根本的に改善しない
  • 手術を勧められたが、なかなか決断できずにいる

このような状態が続いているとき、「ほかに何か方法はないか」と思われる患者さんは少なくありません。クーリーフは、そういった方々の「手術と保存療法のあいだ」に位置する新しい治療の選択肢です。


クーリーフ(Coolief)は、膝の痛みを伝える感覚神経に高周波(ラジオ波)を当て、痛みの信号を抑える治療法です。
変形性膝関節症では、膝まわりの3本の感覚神経(上内側膝神経・下内側膝神経・上外側膝神経)が過敏になり、慢性的な痛みを引き起こします。クーリーフはこれらの神経を超音波で確認しながら正確にターゲットとし、熱で処理することで痛みを和らげます。

治療特徴
ヒアルロン酸注射関節の潤滑を補う。効果が得られない場合もある
痛み止め(内服)全身に作用するため、長期使用には副作用の懸念もある
人工関節手術根本的な解決になるが、入院・リハビリが必要
クーリーフ痛みの神経に直接アプローチ。外来30〜60分、日帰り可能

注射や薬で十分な効果が得られなかった方にとって、手術の前に試せる選択肢として注目されています。


① 保険適用の治療です

2023年6月より「末梢神経ラジオ波焼灼療法」として保険収載されました。

② 入院不要・日帰りで受けられます

治療そのものは30分〜1時間程度。外来で行うため、入院の必要はなく、お仕事や家事と両立しやすい治療です。

③ 体への負担が少ない

メスを使わず、痛み止めをした上で細い針(プローブ)を皮膚から挿入するだけです。超音波エコーで神経の位置を確認しながら行うため、精度が高く周囲の組織へのダメージを最小限に抑えています。

④ 海外の試験では7割以上に痛み軽減の効果

海外の臨床試験では、治療後6か月の時点で約74.1%の方が痛みの軽減を実感しています。効果には個人差があり、早い方では2日〜1週間程度で変化を感じることが多いです。


  • 変形性膝関節症と診断されている
  • ヒアルロン酸注射や痛み止めを試したが、十分な効果が得られていない
  • 年齢や持病などの理由から、手術が難しい
  • 手術は将来的に検討しているが、今すぐ踏み切る状況にない
  • 日常生活への影響を少なくしたい

※ すべての方に適応となるわけではありません。まずは診察でご相談ください。


STEP 1 :超音波で神経を確認

治療当日は、超音波エコーを使って痛みの原因となっている神経の位置を正確に特定します。

STEP 2 局所麻酔

治療部位に麻酔をかけ、処置中の痛みを抑えます。

STEP 3 プローブ挿入・高周波処理

細いプローブ(電極)を神経のそばに挿入し、高周波エネルギーを当てて神経を処理します。プローブの先端は冷却される構造になっており、周囲の組織への影響を最小限に保ちます。

STEP 4 終了・帰宅

通常通り歩いてご帰宅いただけます。処置後は通常の生活に戻っていただけます。当日のみ入浴はひかえていただきます。


負担割合片膝の目安
3割負担約 50,000円
2割負担約 32,000円
1割負担約 16,000円
保険診療(末梢神経ラジオ波焼灼療法)

よくあるご質問

Q. 治療後すぐに痛みは取れますか?
A. 治療直後に楽になる感覚は、局所麻酔の効果によるものです。クーリーフの本来の効果は2日〜1週間程度で現れ始めることが多く、場合によっては数か月かけてゆっくり現れることもあります。

Q. 治療のあとはすぐに歩けますか?
A. クーリーフがターゲットとするのは「感覚神経」のみです。運動神経は処理対象ではないため、足の力が入らなくなるといった問題はありません。処置後より歩行可能です。

Q. 痛みがまた戻ることはありますか?
A. 神経は時間をかけて再生するため、数か月〜数年後に効果が薄れてくる場合があります。その場合は、再治療を検討することができます。

Q. リハビリは引き続き必要ですか?
A. はい、治療後もリハビリテーションは継続していただきます。痛みが和らぐことで、以前よりリハビリに取り組みやすくなる方も多くいらっしゃいます。

Q. 人工関節手術後でも受けられますか?
A. 手術後に痛みが残っている場合も対象になることがありますが、自費診療となります。まずはご相談ください。

Q. 両膝同時に治療できますか?
可能です。診察時にご相談ください。


  • 治療効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が保証されるものではありません。
  • 適応・費用・リスク・副作用については、治療前に医師から十分な説明を行います。
  • 感染リスク(低確率)、針を刺す際の痛み、皮膚症状(まれ)、熱傷などが生じる場合があります。

まとめ

クーリーフは、膝の痛みに悩む方が「手術に踏み切る前に試せる」新しい選択肢として、保険適用となった治療です。外来で完結する低侵襲な処置であるため、体や生活への負担を抑えながら、痛みの改善を目指すことができます。「今の治療では限界を感じている」「でも手術はまだ……」という方は、ぜひ一度ご相談ください。