超音波診療

「筋肉・腱・靭帯といった組織の診断に優れています。肉離れ、腱鞘炎、足首の捻挫に伴う靭帯損傷など、スポーツや日常活動で発生しやすい損傷は、超音波により正確に評価・診断することが可能です。また、骨の評価にも適しており、X線画像では診断の難しい小さな骨折も超音波により診断可能なことが少なくありません。
超音波は診断だけでなく、注射を行う上でも目的とする場所へ正確に薬液を注入することが可能です。エコーガイド下に行う注射の例として以下の治療があります。

エコーガイド下神経根ブロック、椎間板ブロック

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症などの神経痛の方、腰痛症の方などに対して行う治療です。お薬のみではおさまらない痛みなどがある場合、提案させていただくことがあります。エコーで確認し、原因と思われる部位にピンポイントで治療します。即効性があるだけでなく、局所の炎症を抑えて根治的な治療にもなり得ます。(当院施行数 神経根ブロック(頸、腰)にて年間400件以上)

頚椎での超音波ガイド下神経根ブロック画像
頚椎での超音波ガイド下神経根ブロック画像

ハイドロリリース

ハイドロリリース前
ハイドロリリース後

肩こり、頭痛、腰痛などにおいて、近年いわゆる筋膜(ファシア)の異常によるとする考え方があります。
筋膜(ファシア)が痛みの原因となっている場合、筋膜をエコーでリアルタイムに見ながら極細の針で注射し、筋膜を剥がすことで、即効性の高い治療を行うことができます。
従来行われていたような盲目的な注射は行わず、基本的に筋膜など目的にピンポイントに注射を行っています。また神経周囲の癒着が主な原因となっている場合、神経周囲の癒着を剥がすことで疼痛の軽快、寛解を得ることができます。また注射による効果をみることでそこが原因かどうかを確かめる診断の意味で行う場合もあります。

肩関節授動術(サイレントマニプレーション)

肩関節の靱帯や腱などに炎症が起こり、動かす時や夜寝ている時に痛みを生じる状態を、『五十肩』や『肩関節周囲炎』と呼びます。
症状が長引くと関節包が拘縮して肩が固まったように動かしづらくなり、『凍結肩』と呼ばれ、通常の治療では長期化してしまうこともあります。
サイレント・マニピュレーションは、超音波ガイド下に肩にいく神経のみに麻酔の注射をし、硬くなっている肩の組織をやわらかくし、肩の動きを回復させます。動きが回復するとそれにつれて痛みもじょじょに緩和していきます。
当院では現在まで 350例以上施行しており(令和3年8月現在)数年来の痛み、動かしづらさに対して非常に有効な方法です。

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